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中禅寺ちゅうぜんじは、しょうどう上人しょうにんによって創建そうけんされたお寺で、日光山にっこうさんりん王寺のうじ別院べついんです。中禅寺湖の南がわ、歌ヶ浜にあります。 本尊ほんぞんの立木観音は、勝道上人が男体山を登頂とうちょうした時に中禅寺湖の湖上にあらわれた千手観音せんじゅかんのんったものといわれています。また、境内けいだいにある波之はし大黒天だいこくてんは、勝道上人の男体山登山の時に現れ、上人のねがいをかなえた大黒天をったといわれています。中禅寺湖の波の上に姿すがたが現れたことから、波之利(なみのり)とかいて「はしり」と読みます。 中禅寺やそのまわりには、勝道上人にまつわる物やお話がたくさんつたえられています。それらも調べてみると楽しいでしょう。

移り変わり

はじめ立木観音は、今の場所とはちがうところにあんされていました。げんざいふたさんじんじゃちゅうぐうのところにありました。1902年のぼうふう山崩やまくずれにあい、仏堂ぶつどうともに立木観音も中禅寺湖に流され、行方ゆくえがわからなくなりました。その後、歌ヶ浜の地で立木観音が見つかり、現在の中禅寺の場所に建て直されました。

784年 延暦えんりゃく3年 中禅寺湖の北側(現在の二荒山神社中宮祠のあたり)に神宮寺じんぐうじ(元の中禅寺)がてられた。
1902年 明治めいじ35年 暴風雨のため山崩れにあい、仏堂が流されてしまった。
1912年 大正たいしょう2年 歌ヶ浜(現在の中禅寺)に建て直された。


(「にっこうさんえんまき 第5巻 しょしゅう」日光山輪王寺所蔵しょぞう