三神庫さんじんこ
 表門を入るとすぐに、三つの建物たてものがあります。門に近い方から、下神庫しもじんこ中神庫なかじんこ上神庫かみじんこです。3つ合わせて三神庫とびます。神庫とは祭具を入れるくらという意味で、中神庫・下神庫には千人武者むしゃ行列など東照宮とうしょうぐうのお祭りに使う道具などがしまってあります。上神庫は『御宝蔵ごほうぞう』とも呼び、もっとも重要じゅうよう御神宝ごしんぽうをしまっておいたところです。この三神庫は、『校倉造あぜくらづくり』という通気がよく品物をしまっておくのにてきした造りになっています。


「鼻が長く、体が大きく、きばのある動物」と聞いてみなさんはどんな動物を想像そうぞうしますか。そう、『ぞう』です。三神庫の一つ『上神庫』の南側みなみがわつまには象が二頭彫刻されています。けれども東照宮がつくられた400年前には、動物園があるわけではなく、下絵をえがいたと言われる狩野探幽かのうたんゆうも本物の象は見たことがありませんでした。そのため象についての話を聞いただけで想像してこの象を描いたといわれています。そこで、ここの象は『想像の象』とばれています。皆さんが見たことのある本物の象とくらべながら見てみましょう。どんなところがていますか。また、どんなところがちがっていますか。
象と獏はよく似ていますが、目と体にちがいがあります。よく見てみましょう。

西浄さいじょう
 三神庫にはさまれるようにひっそりと、朱塗しゅぬりの建物がっています。東照宮の建物の中でただ一つ、何の彫刻もない建物です。これが『西浄』、実は神様のトイレです。中を見ることはできませんが、漆塗うるしぬりの9つの便器べんきがあります。作られてから今まで、人間はだれも使ったことがありません。東照宮の七不思議ふしぎの一つです。